Gallery & BLOG

The Adjustment 新・ホラクラシー経営解説講座 木我理恵インタビュー 後編

-パワーコンテンツジャパン株式会社の組織運営を語るときに欠かせないのが、ホラクラシー経営です。ホラクラシー経営という概念を実際に組織運営に活かそうと決めるまでの経緯を教えてください。

木我:パワーコンテンツジャパン株式会社がホラクラシー的経営を導入した背景には、『組織図のない組織は成立するのだろうか』という横須賀輝尚の疑問がありました。2016年の秋くらいだったと思います。

新しい組織を模索する中で横須賀が出会ったのが、ホラクラシー経営やノーレイティングです。それからしばらくは毎日、横須賀が読んだ本や記事などを社員と共有し、ホラクラシーについて話し合いながら理解を深めていきました。

やがて社内で「制度自体を自分たちで考えていくというスタイルが、パワーコンテンツジャパン株式会社にとってはベストなのでは」という結論に達しました。会社の組織運営の方向性が決まったのは、ホラクラシーの研究が始まった翌年の5月頃だと思います。

-社内の組織運営がホラクラシー的になっていったことについては、どのように感じていましたか?

木我:実は、特に違和感はありませんでした。これまでやってきたことの延長のように感じていましたし、後付けで「ホラクラシー」という言葉がついてきたようなイメージです。

例えば、何が仕上がるのか分からないまま塗り絵に色を塗り続けていたのが、あとからホラクラシーという輪郭が入ったことによって、「こういう絵を作り続けていたんだ」と分かるような感じです。

-ホラクラシーという概念が新たに加わることにより、組織運営はさらに進化したのでしょうか?

木我:一人ひとりの役割はより明確になったと思います。役割に徹するようになったといいますか。それから、横須賀がいないところで社員が自発的に仕事をすることが増えました。

その具体的な例が採用です。最初のミーティングこそ横須賀が参加したものの、その後は社員だけで集まって「パワーコンテンツジャパン株式会社にとってどんな人がほしいのか」「どんな人と一緒に働きたいのか」ということを、徹底的にブレストしたんです。

-1人ひとりが自主性を持って、選択して仕事を進めていく。これが今のパワーコンテンツジャパン株式会社の大きな強みとなっています。今後はさらに社員が増え、組織も成長していくと思われますが、そのときに何が大事になってくると考えますか?

木我:次にまた同じことをするとしても、過去に話し合って出た結論をベースにするのではなく、その都度考えるということが大事だと思っています。パワーコンテンツジャパン株式会社のコンセプトに『Think more』もっと考える、というものがありますが、『都度考える』ということも、絶対に外せない要素だと考えています。

先ほどの採用を例に挙げるなら、前回のブレストの結果、新しく入ってきた社員もいますから、過去のブレストをベースにしてしまうと新しく加わった社員の価値観や考えが反映されません。今後また採用の機会がきたら、全社員で集まって徹底的にブレストをして、求める社員像について掘り下げることが大事だと考えています。

-最適な組織運営や組織制度は、外にあるものをそのまま当てはめるのではなく、中で考えて作っていく。この試みはまだ始まったばかりですが、確実によい成果が出ています。

関連記事一覧

PAGE TOP