どうやって採用するのかと聞かれたときに、中小企業の経営者や人事担当者がよくいうのが「フィーリング」です。私も採用するときには「この人合うな、合わないな」というのを大切にしていますし、それとなく自分の会社のカラーに合うなと感じるような人はいます。
そんなふうに「合う」人を集めるためのひとつの指標として使えるのが、「嫌いなものを聞く」ということ。これは、これまでいろいろやってきた中で私が得たひとつの考えですが、人は好きなものでは喧嘩するけど、嫌いなものでは喧嘩しないんです。
人は嫌いなものでは喧嘩しない
例えば、同じバンドが好きなとき、好き同士は結構揉めます。ですが、嫌いなものに関しては喧嘩しません。例えば社内で嫌いな人がいるとき、その人の愚痴を言うときには盛り上がっても、嫌いだからといって嫌いな人同士で喧嘩はしにくい。そうすると、面接でも「何を嫌だと思いますか」「何を嫌いだと思いますか」というところで、その人がある程度測れるのではと考えています。
弊社は好きなものはバラバラですが、許せないことは多少似ていると思っています。例えば、仕事はきっちり納期に終わらせたいとか。ミスをすることは少ないですが、ミスをしたときには必ずオープンに申告するとか。共通認識としてそういうところはあります。
好きを縛ることはできません。好きなものがあるのはとても大事なことですが、価値判断の基準として「何を嫌いと思うか」というのはひとつのポイントだと思っています。
横須賀輝尚